田井ノエル『大阪マダム、後宮妃になる!』の「たこ焼きとお好み焼き」[おいしい読書013]
「関西人の家にはたこ焼き器がある」なんていう。これはある。もちろんある。というか、子供の頃は「たこ焼き器のない家がある」なんて想像もしてなかった
我が家には当然たこ焼き器はあるし、実家には「お好み焼き専用の鉄板」もあった。ものすごく重くて、めちゃめちゃ美味しく焼けるちょっとした自慢の鉄板。
「粉の配合」「具は何がいい?」「ソースはどれ?」… それぞれ「譲れない」こだわりがあるような特別な存在。そんなコナモンが出てくるのが『大阪マダム、後宮妃になる!』シリーズ。
大阪マダム、後宮妃になる!
「理想の男はバース」と公言して憚らない主人公
大阪で生まれ、難波で育ち、道頓堀で死んだ…… 結果、「凰朔国」随一の商家の娘・蓮華として生まれ変わったという異世界転生モノ。
父親に命じられて後宮に入った蓮華は、いろんな成り行きで“皇帝の寵姫”となり、前世の経験をフル活用して後宮で商売を開始。皇帝や他の妃たちに、お好み焼きやミックスジュースを振るまい、飴ちゃんを配り、野球を流行らせて自分は縦縞ユニフォームを着る。
「お好み焼き」はすでに後宮で人気を博したものの、どうしても「タコ」が手に入らず、たこ焼きの完全再現はまだ先になりそう… というお話?
関西人とたこ焼き
関西人とたこ焼き
先にも書いたが、やはり関西の家には「たこ焼き器は一家に1台」だ。
一人暮らしだとないかもしれないので、「絶対ある」なんて言わないけど、でもやっぱりたこ焼き器はデフォ。当然ながら我が家にもある
炎たこが最高
個人的にはこのIwataniの「炎たこ」がすごく美味しく焼けると思っている。たこ焼きはガスで焼くに限るのだ。
京都出身なので、ソースは「ツバメソース」がいい。
たこ焼きソースは多分なかったので、ここはお好みソースで
青のりは要らないけど、粉がつおは必須で行きたい。マヨネーズはなくてもいいけど、あってもいい派。
ご贔屓の「たこ焼き屋さん」
家でも焼くが、関西の人たちってそれぞれ「ご贔屓のたこ焼き屋さん」というのも持っている
関西人に「美味しいたこ焼き屋さん、知ってる?」みたいなことを聞いてみると、たいてい2軒や3軒名前が出てくる。繁華街で1箇所、観光地で1箇所、家の近くにもう1箇所的な
友人知人のオススメする「たこ焼き屋さん」に連れてってもらったこともあるし、自分が新卒で入社した会社(本社は大阪)は入社式の後に「社長がオススメのたこ焼き屋さん」に連れて行かれた思い出…
関西人(とくに大阪人)とたこ焼きの関係は深い
大阪マダムの大阪グルメ
異世界に転生しちゃった大阪マダム。
皇帝の寵姫という立場と、実家がものすごく太い商家というアドバンテージを利用し、外国の食材を取り寄せ、鉄板やたこ焼き用をはじめ特製の調理器具もつくらせて、大阪グルメを堪能しまくっている
関西人なら一度や二度は食べたことある「あれ」や「それ」も再現させているので、ついニヤニヤ。しかし関西以外の人にも伝わっているのか? わからないし
主人公は「再現度が物足りん」と思っているみたいだけど…
今後どんな大阪グルメが出てくるのか? 楽しみに読み続けたい