『天地創造デザイン部』シリーズの「おいしそうな動物たち」[おいしい読書018]
こんなことを書くとすごく怒られるかもしれないが…
時々「この動物は美味しく食われるために生まれてきたのでは?」と感じることがある。たとえば「エビ」とか、「カニ」とか…
「食べられるための動物」はありえないだろうけど、『天地創造デザイン部』には「美味しい」か「美味しくないか」にやたらとこだわるデザイナーがいて… だからつい作者も自分と同じような疑問を持ったのでは? なんて考えてしまう。
天地創造デザイン部
蛇蔵さん、鈴木ツタさん原作、たら子さん作画の漫画『天地創造デザイン部』。
あらすじ
天地を創造した神。天地や水を造った時点で面倒になって、生き物を造るのは「下請け」に丸投げすることにした
男女(に見える)天使を連絡係に、「天地創造社」へと下請けに出される生き物造り。神様のワガママで矛盾たっぷりのオーダー…
たとえば「可愛くて可愛くない生き物」とか、「羽がなくても飛べる」とかに応えるべく、個性的なデザイナーたちがウンウンいいつつ生き物の案を出し、さらにエンジニアが実現可能か試験制作して検証、修正していく。
クライアントである神が気に入れば「天啓」という形で採用(時には不採用もあるし、「もうちょっと」など意見がつくこともある)の連絡が来る… という形式。
デザイン室からさまざまな生き物が生まれる…
アニメも
『天地創造デザイン部』は2021年にアニメ化。自分は先にアニメを観て、後追いで漫画を読んでいる
不思議なノリのOP・EDも含めてかなり好き。2期も観たい! けど… あんまりアニメの評価を聞いたことがないので、そんなに人気なかったのかもしれない。しらんけど
変わった生き物がたくさん出てくるので、調べながら観るのも楽しかったなぁ
「おいしい」生き物
デザイナーさんには、それぞれ個性があり「すごく可愛いものばかりつくる」とか、「毒々しい生き物が好き」とか。
そのなかに、木村さんという、「とにかく生き物の味が気になる」人がいる(特殊デザイナーの彼らが人かどうか? も、わからないけど)。
見た目はすらっとしたイケメンなのに、とにかくどの生物でも「とりあえず食べてみよう」とする、結構電波な人物。この3巻表紙の男性が木村さん。
代表作は「牛」。うん、間違いなく美味しい。トップ画像も、木村さんの最高傑作に敬意を評して「牛肉」にしました。これも美味しかった
動物たちの肉を味見しまくっている木村さん曰く「草食動物や虫を食べる動物は美味しい」傾向があり、「肉食動物は味がまずく食あたりしやすい」という。
木村さんの作品か?
最近は、日常的に食べている生き物。
なかでもとくに「ちょっと見た目が独特」なもの。
たとえば、ナマコ、ウニ、ホヤ、アンコウ… まぁ貝類と甲殻類は全部! という感じもあるけど
こういうのって、「もしや木村さんの趣味なんじゃ?」なんて思ったりもして。
そういえば『ハンチョウ』でも
そういえば『1日外出録ハンチョウ』でも4巻の「オイスターバー」に行く話で
牡蠣は「食われにきてるとしか思えん」とか「人間本位の設計」などと書かれていたけど
牡蠣も… 木村さんが「美味しく食べるためにデザイン」したんじゃないだろうか?