角野栄子『ピザパイくんたすけてよ』の「おばけピザパイ」[おいしい読書009]
「ピッツァ」じゃなくて、「ピザ」… でもなくて「ピザパイ」って言葉に惹かれる。だって子供の頃は「ピザパイ」って感じだったもの
石窯から出てくる本格派の薄い「ピッツァ」も好きだけど
分厚いクラストの昔ながらの「ピザパイ」もいい
ピザパイくんたすけてよ
『ピザパイくんたすけてよ』は、小さなおばけの「アッチ」「コッチ」「ソッチ」が登場する「小さなおばけシリーズ」の1冊
こんなお話
アッチのいるレストラン。なぜかお客さんが来なくなりマスターは大弱り。そこでアッチは奮闘「おばけピザパイ」の宣伝をはじめます。
「おばけピザパイ」というのは、自分で好きな具材を乗せて焼くピザのこと
サラミやソーセージ、ゆで卵、お野菜も、いろいろ並べて焼き上げる。見た目も味もオリジナルな、楽しくて美味しいピザパイ。そしてレストランは大繁盛! みたいなお話
子どもたちがどんな素敵ピザパイをつくるか? は、本でどうぞ
当時のピザ事情
自分が子供だった当時「ピザ」という食べ物は世の中にあった
でもまだ石窯で焼かれる薄いピザは見たことがなかったし、宅配のピザもなかった。宅配ピザができたのは結構大きくなってから。多分はじめて注文したのは中学生くらいの頃だと思う
ピザというのは喫茶店か洋食レストランで食べるもので
分厚目のクラスト(台)にトマトソースを塗って、チーズとサラミ、缶詰のマッシュルーム、輪切りのピーマンなんかが乗っているもの。
なんだかおしゃれな感じがして、何度か注文したものだ
オリジナルピザが食べたい!
で、『ピザパイくんたすけてよ』。
すぐに感化される自分は、この本を読んで猛烈に憧れ、「ピザパイが食べたい」「しかもオリジナルを」と直訴。だってもう本当に美味しそうだったから
当時やっと大きめスーパーで買えるようになってきていたピザソースとクラストを買ってもらい、、とろけるチーズ他、いろんなものを用意してオリジナルなピザを作った。クラスとは丸じゃなくてトースターで焼きやすいように四角だった気がする
クラストがちいさかったこともあり? いや、欲張りなので「あれもこれも」と乗せた結果?
本の子どもたちみたいに素敵にはつくれなかったけど
ベーコンやサラミ、玉ねぎやピーマンがたくさん乗った自分だけのピザを食べることができた。それがもう美味しくて! その後、ねだって何度もつくってもらった
今食べても美味しいのかな?
大人になってからは、本格的なピザ屋さんやイタリアンでピザを食べるようになり、「ピザパイ」とはあまり縁がなくなっていた
でも最近「あれって美味しかったなぁ」と思い出し
ピザソースその他を買い込んでつくってみた。クラストじゃなく薄めのパンだったので、「ピザトースト」ってやつ
久々のオリジナルピザ(トースト)。
なんだか懐かしい感じで、思ったよりあっさり? でも美味しい
ちょっと本格的(?)に、バジルも買ってきたりして、チーズも当時よりいいものだったからなのかもしれないけど。でも好きなものを乗せて焼いて食べるのは、やっぱり楽しく、美味しかった