おいしい読書

辻村七子『宝石商リチャード氏の謎鑑定』の「ロイヤルミルクティーとプリン」[おいしい読書015]

ミナミ

物語に出てくる美味しいもの。レシピが書いてあると試してみたくなる。家にあるもので作れそうならなおさら。

今までに何度も味わったことがあり、さらに「すごく美味しい」とされているものだと、そりゃぁもうMAXになる

宝石商リチャード氏の謎鑑定』のリチャード氏甘党でロイヤルミルクティーを偏愛する美貌の宝石商。彼がすごくこだわる「ロイヤルミルクティー」なんだか飲んでみたくなる

宝石商リチャード氏の謎鑑定

辻村七子さんの『宝石商リチャード氏の謎鑑定』。

舞台は銀座の宝石店「ジュエリー・エトランジェ

主要キャラクタはイギリスからやってきた、謎多き美貌の宝石商、店主の「リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアン」。そしてとあるきっかけで宝石商を手伝うことになる日本人男子大学生「中田正義

2人のコンビが宝石の持ち主が隠した心の問題や謎を解き明かす。

雪広うたこさんのイラストも美しいジュエルミステリーでもあり、ブロマンスでもある、目が話せないストーリー

漫画版もあり、2020年にはアニメ化もされた。自分はアニメで知って原作を求めたクチ

もともと宝石も好きなので、いろんなジュエリーの話が出てくるのが楽しい。そして出てきた宝石を調べるのもまた楽しい

リチャード氏の趣味嗜好

甘党のリチャード氏。宝石店にはさまざまな有名店で求めた甘味がギッシリ並び、まだ見ぬ甘味にも興味津々。買収するには美しく美味しい甘味がいい。

そんなリチャード氏が愛してやまないのは「正統派のロイヤルミルクティー」。

ロイヤルミルクティー

最初に正義にロイヤルミルクティーを出したリチャード氏は「これが本物のロイヤルミルクティーです。あとは本物ではない」と言い切った。

つまりロイヤルミルクティーには非常にこだわりがあるってこと。

その淹れ方はこんな感じらしい

湯を沸かした鍋に、でかいプラスチックスプーンてんこもりの茶葉を叩き込み、強火でぐつぐつさせ、紅茶の色が出てきたところでミルクを投入、煮立った泡が鍋の縁までぽわぽわ迫ってきたところで火を消す。お盆に載せた二つのカップに、かわるがわる茶こしをかざして、リチャードは鍋からミルクティーを注いだ。

よく「紅茶を牛乳で煮出す」というけど、実はそれでは美味しくならないとも聞く

まずはしっかり湯で紅茶を抽出し、それからミルクを淹れるのが美味しく淹れるコツなんだとか。リチャード氏流は、以前聞いたそのとおり?

ちょっと面倒だけど、難しいところはないし、家にあるもので作れる。多分… 紅茶自体は結構いいものにした方がいいんだろうけど、いい紅茶ってたいてい家にあるからいける!

同じものかはわからないけど

そうしてつくったリチャード氏流「ロイヤルミルクティー」

確かに美味しいんだけど、これを仮にリチャード氏に出したとして合格点がいただける出来なのか? というと、かなり自身がない。

でも「正義が淹れたロイヤルミルクティに近い?」「リチャード氏が飲んでいるものに似ている?」と思うと十分テンションが上がるので、それはそれでいいとしよう

リチャード氏絶賛のプリン

そんなリチャード氏が絶賛するのが、正義がつくるプリン

砂糖でカラメルを作り、牛乳と卵と砂糖を混ぜてプリン液をつくって蒸し焼きにする…

要するに「お母ちゃんの作ってくれるプリン」ってこと

でもこの手のプリンって、売ってないというか、お店では食べられなくて、「家で作るしかない」みたいなところがあるので、リチャード氏は食べたことがなくて当然という気もする

オフィシャルして制作された「内田雄馬さんが各レシピを作る動画」で「プリンの作り方」を見たけど、やっぱりお母ちゃんの作るプリン! 懐かしいビジュアル、シャバッとしたカラメル。もう味は想像できる。そして絶対美味い!

牛乳寒天も美味しそう

正義が作る「牛乳寒天」にも興味津々だったリチャード氏。

あのほの甘い、これまた「お母ちゃんの作るおやつ」な存在をどう感じたか? はわからないけど

リチャード氏は結構「甘みが強」くて、「複雑な味わい」のものがお好きなのか? と思っていたけど、そうでもないんだなぁと、親近感が湧いたりもする

レシピはファンブックにて

レシピはファンブックに詳しく載っているそうなので、こちらもぜひ

小説は2021年12月現在で11冊出ているそう。まだ途中までしか読めていないので、続きも読まなければ

ABOUT ME
ミナミ
京都出身、滋賀在住。仕事は自営業|本と漫画、おいしいものへの愛を詰め込んでお届け|小説も漫画好き。ミステリ、時代もの、SF、ライト文芸多め? 実用書・ビジネス書も時々|大の電子書籍派|食べるの好きなので「おいしい」ものが出てくる作品が好き
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